いっとき、山ほど続いたACのコマーシャル。
あれほど同じものを立て続けに流されると
最初は違和感。
でもだんだん慣れてきた。
あれが流れないと逆に寂しくなってきた。
ボクがすきなのは、手で子供を抱くCM。
お手て~、と言って
手を繋ぎに行く2歳くらいのあの子がカワイイ。
一つ、嬉しいのは
ACのCMのおかげで『金子みすゞ』が脚光を浴びたこと。
“遊ばない、というと遊ばない、と言う。
・ ・・・こだまでしょうか? いいえ、誰でも“
・ というあのCM
あの詩、現代の詩みたいでしょ。
実際は日本が軍国化に走る、戦前の女の子が
80年前に作った詩なのですよ。
絵描きと同じく、
文学の作家は素晴しい。
たんなる記号でしかない、コトバという材料を
組み合わせることで創造の広がりを生み出す。
一枚の絵を見ていろんなイマジネーションが広がるように
一篇の詩も無限大の世界を生む。
(金子みすゞ。 26歳で服毒自殺するその生涯は
愛情に恵まれていなくて、寂しさ、があちこちに顔を出す
そういう詩を作った。これは20歳の記念写真のようだ。)
『犬』という作品がある。
———————————
うちのダリアの咲いた日に
酒屋のクロは死にました。
おもてで遊ぶわたしらを、
いつでも、おこるおばさんが、
おろおろ泣いておりました。
その日、学校でそのことを
おもしろそうに、話してて、
ふっと寂しくなりました。
——————————————————-
この詩に技巧はあるのだろうか??
あるのかもしれないけど
ボクの心には直球ストレートに、ドスンときた。
『ふっと寂しくなった』、という
ただ一つのフレーズの
この迫力。
西條八十が天才と認めた金子みすゞ。
知らない人がおられましたら、
ブックオフでもいいから詩集を買ってきて
ゆっくり時間を取れるときに
リラックスして読んで欲しい作家です。
詩集は、【わたしと、小鳥と、すずと】です