2011年04月02日

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ACのCMと金子みすゞ

いっとき、山ほど続いたACのコマーシャル。

あれほど同じものを立て続けに流されると


最初は違和感。


でもだんだん慣れてきた。


あれが流れないと逆に寂しくなってきた。


 


ボクがすきなのは、手で子供を抱くCM。



お手て~、と言って


手を繋ぎに行く2歳くらいのあの子がカワイイ


 


一つ、嬉しいのは


ACのCMのおかげで『金子みすゞ』が脚光を浴びたこと。


 


“遊ばない、というと遊ばない、と言う。


     ・・・こだまでしょうか? いいえ、誰でも“


     というあのCM


 


あの詩、現代の詩みたいでしょ。


実際は日本が軍国化に走る、戦前の女の子が


80年前に作った詩なのですよ。


 


絵描きと同じく、


文学の作家は素晴しい。


たんなる記号でしかない、コトバという材料を


組み合わせることで創造の広がりを生み出す。


一枚の絵を見ていろんなイマジネーションが広がるように


一篇の詩も無限大の世界を生む。


 


(金子みすゞ。 26歳で服毒自殺するその生涯は


愛情に恵まれていなくて、寂しさ、があちこちに顔を出す
そういう詩を作った。これは20歳の記念写真のようだ。)



 



 


『犬』という作品がある。
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うちのダリアの咲いた日に


酒屋のクロは死にました。


 


おもてで遊ぶわたしらを、


いつでも、おこるおばさんが、


おろおろ泣いておりました。


 


その日、学校でそのことを


おもしろそうに、話してて、


 


ふっと寂しくなりました。



 


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この詩に技巧はあるのだろうか??


あるのかもしれないけど


ボクの心には直球ストレートに、ドスンときた。


『ふっと寂しくなった』、という
ただ一つのフレーズの


この迫力。


 


西條八十が天才と認めた金子みすゞ。


知らない人がおられましたら、


ブックオフでもいいから詩集を買ってきて


ゆっくり時間を取れるときに


リラックスして読んで欲しい作家です。
詩集は、【わたしと、小鳥と、すずと】です