2011年10月05日

 未分類

ナマで見せてもらった愛情

先日の日本美術解剖学会が終わった後の懇親会。
ビビッとくるモデル見た。
モデルとは双子の娘さんとそのお母さん。
お姉ちゃんは成安の学生とのことで、
ボクが講演に立って発表している間から
なんとなく3人が出すそのオーラが気になっていた。
ロダンと親交のあったカリエールは
6人の子供が居て、母と子の愛情をテーマに沢山の
絵を書き残したのですが
愛情という目に見えないものを絵という目に触れるもので
見せてくれる傑作ばかり。
その愛情、がボクの目の前に、あるじゃあないか。
壇上から気になっていたオーラとは愛情だとわかった。
だってね、目に見えないへその緒で、
その親子はまだつながっているような。
そんな感じがしたのですよ。

二人の娘は、もう結構大きくなったけど、
まだお母さんに甘えている。
母性を”神”とあがめてきた人間の、その理由がわかるような絵。

感動させる絵の前では
カリエールが象徴主義とか、そんなのはどうでもいいのです。
この絵を前にしてボクは立ちすくみました。

カリエールが描いたのは、ゴーストであって
描いたのは目に見えない魂だけだった、ともいわれてます。
ボクは自分のカラダで人体の構造をナマで見せる、という
ことを当日やったのですが、
カリエールが表現しようとした不可視の”愛情”というモチーフを
ボクは逆にナマでその親子に見せてもらったのでした。