大変よく聞かれる質問でございます。
① おすすめの美術解剖学講座はありますか、どこでやっていますか?
② 専門書、参考書はどれがいいですか? おすすめの本やメディアは何ですか?
③ なぜ美術解剖学を学んだ方がいいのですか?
④ 美術解剖学を学んだら絵が上手くなりますか?
⑤ どの大学、美大でやっていますか?
3回シリーズでお答えします。まず①と②から。
私、海斗も美術解剖学会に所属するものとして、これらの疑問にはちゃんと答えないといけないと常から思っています。
まず②の答えから行きましょう。②は「一つの参考書」で実現するのは無理です。すくなくとも日本語になっている本で一冊で完結するものは私の知る限りでは有りません。(1)かなり詳しく描いた本、と(2)立体造形者向けに描かれた本とを、併用して勉強して、かつ(3)生身の体で確認する、というステップが要ります。
これが最短かつ最強の方法ですがまず(1)をあらかた習得しないと(2)はしっかり頭に入りません。その逆の順番からアプローチしても同じです。勉強して分かった気になってもイザ本物の体を観たら分からなくなる。。。。そういう事も良く起こります。
ここで①の答えが出てくるのですが私、海斗の主催する「筋肉と骨LIVE」に来ていただくのが一番良い方法です。生身のモデルを前に解説しますし質問もできて、触って確認もできます。いずれも部屋で一人で本で勉強しても実現できない事です。
では、おすすめの参考書は何か。
(1)かなり詳しく描いた本は、【アーティストのための美術解剖学】(マール社、宮永美知代訳)。美術解剖学書として書いてなければならない事があらかたちゃんと書いてあり,他書に比べて抜けがありません。ただ中級者むけでして、初心者や、初心者でなくても想像力に欠ける人には無理です。意欲を持ってしっかりやろうという人でないとついて来れないでしょう。私が美術解剖学会で一緒にやらせていただいている東京藝大の宮永先生だからという事ではなく、本当に一通りしっかり書かれている本です。
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これと併用して、3D系、立体造形系の方向けの良書があるので、並行して学びましょう。下に紹介している【スカルプターのための美術解剖学】ザリンス、コンドラッツという外国の著者2名の共著で、ボ-ンデジタル社から出ている224ページにわたる本です。
ページの中身をちょっと拝見 ⇓
写真が多用され、かつ性差も解る記述も多いので、理解の助けになります。ただ説明が不十分なため、先述の「アーティストのための美術解剖学」に書いてある説明で理解の補完をします。
そのうえで最後は生身の人体で理解する。身近な人に見せてもらう、触らせてもらう、という事になるのですが、海斗のLIVEに来ていただけるならこの本に沿って解説する講座を2018年5月から東京で開催します。詳しくはこのHPで後報します。 下につけたのは2017年の講座のサンプルです ⇓
いかがでしょうか、美術解剖学のオススメの参考書、本、講座などの情報です。海斗としてあちこちで講座を行い平面や立体、デジタル、モデリング、などいろいろの方々と接してきた中では、この勉強法が一番だと思います。
もっと簡単にマスターで来る方法はないの?という人。 あきらめてください。 どんな分野でも芸事(げいごと)とは、簡単にマスターできるものではないからです。
次回は、冒頭につづった③、④について書いてみたいと思います。