2017年02月12日

 美術解剖学

美術解剖学を自習する人のために

ボクが各地で絵を描く方や立体を作る方たちに、生身のモデルの観察を通してヒトの構造の観察の仕方を1日~2日のセッションでお話しするのですが、問題はそのあとどうやって継続的に勉強してゆくのか。教材はあるのか、が問題ですね。

 

昨今はCGや動画を使ったソフトなどが出ていて立体的に多方向から見れたりするのでよさそうなのですけど、そういう動画・CG系の資料で良いモノに出会ったことがありません。それらも動画はCGで骨を動かして、それに合うように筋肉を動かしたものを作っているようです。でも生身の人間はその逆。まず筋肉が動いてその結果として骨(関節)が動いて動作が発生する。

広背筋や外腹斜筋など、その場所によって厚みが違う筋肉はCG系の資料では追えていないようです。厚みが違えば外見にもろに影響してくるので、厚みは欠かせない情報なのです。いずれそういう弱点を克服したものが出てくるのでしょうけど、いま時点はまだ本と実物(生身のモデル)を対比してマスターしてゆくことが”間違いがない方法”と思います。

では、どの本がいいのか?

ボクが自分のセションの中で推薦する参考書は『アーティストの為の美術解剖学』(宮永美知代著)

初級~中級者には日本語のものではこれが秀逸だと思います。絵が粗いという印象はありますがまんべんなく網羅した内容は、ほかの本に比べて圧倒的に穴がない、良い参考書です。