この仕事をしてますと、そりゃあファインアート系やデザイナー、職人系、ビジネス系などいろいろな切り口で絵に携わる人に出会いますし、それぞれがその分野のアートで生きようとしています。
生きる、つまりビジネスにつながらないといけないのですが、写真、絵、イラスト、フィギュア、空間、などなどどれをとってもビジュアルであるという点は共通で、依頼者クライアントは自分の言いたいことをバシッと印象深く、強く、かっこよく、美しく。。。表現してくれと言って仕事を依頼してくるのです。
なかでもポスターは一枚ですべてを言い切る商業アートです。そして需要も多い。これはビジネスになってます。
警察官の募集ポスターで、その仕事の巧拙の良い例がありました。まずはマズイ例として東京の警視庁 ⇓
警察官募集のポスターなんですけど、この中身の無いホノボノ感。警官って何をやる仕事なんでしょうねー、暇そうでいいなーと応募してくる人もいるかも、ですよ。 何を言いたいのか伝わって来ないです、ぼくには。
その点、大阪府警の警官募集ポスターは、すごいの一言 ⇓
警官が何をやる仕事か。一目瞭然!! 手前のこぶしが、これ見よがしでわかりやすい。この仕事をやり人だけが応募してくることでしょう、商業アートとして狙い通りのポスターですよ。
もう一つ、大阪府警の傑作がこれ ⇓
仕事のやりがいに訴える一枚でしょうが、社会的意義、とか、やりがい、とかそんなうるさい事は一切言わずにビジュアルとコピーでバッサリ斬る。上手いですねー。
上手いと言えば、このひとひねり ⇓
下の方のコピーに「正義感」と出ていますが、そんな堅い事は、この子の表情とコピーでスパッと言い切る。
この大阪府警のコミュニケーション力、すごいです。どこの業者が持ち込んだアイデアでしょうねー、デザイナーのコミュニケーション力、それを採用した大阪府警の判断。 ひっくるめて文化の力=伝える力を感じたのです。