2011年05月07日

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美術解剖学モデルが大学を行く 【その2】

昨日記事にした東京芸大・取手での講義は、
京都から遠いために残念ながら不定期ですが、
地元の関西なら定期的にやれます。
成安造形大学の人体表現研究室。
ここには解剖学的アプローチに熱心な小田准教授がおられて
定期的にナマのモデルであるボクが出向いて
小田准教授の授業をともに二人で引っ張ります。
この先生は日大芸術学部でも現在講義中。
『絵画の醍醐味は見えないところを描くこと』とは
小田先生のことば。
確かに、筋肉や脂肪のついている人間にはまず骨がある。
外から見えない骨がどうなっているのかを想像しながら
そこについた筋肉や脂肪を描写する事の意味。
これを感じて描きたいですね。
自分は何を描いているのだろう、といずれ疑問にあたったときに
明確な答えが出てくる。
(成安造形大学・人体表現研究室での授業風景。
約40名の生徒の皆さんの表情は真剣そのもの)

(腕には何がどこからどうついているのか。
手元の資料と比べてみて、納得しようとする生徒さんの真剣な眼差し。
”人体解剖図”の挿絵をいくら見たって、絵が描けることには直接つながらない。 
現物を見て、尋ねるのが一番早い)

(腕がこうなっている時は、中身の骨はこうなっているんだ。
小田准教授がボクと同じポーズを骨にとらせて解説。
こうしてみると、どこにどんな肉がついているのか、
ヒジの関節のところはどうなっているのか、
凹凸のどこが骨で何が筋肉か。わかりやすくなるはず)

このアプローチはヨーロッパでは古には行われていた事なのですが
いまはほとんど、どこもやらない。
まして日本では。  理由は、
これができるモデルと教えることのできる教師が稀有なためですが、
これができる小田准教授とボクがセットになってやる。
藤子不二雄みたいな状態ですネ。
絵の 『お稽古』。
稽古とは、古(=いにしえ)を稽(=考える)、と意味ですが、
昔のことを調べて今なにをすべきなのかを知る、
という意味なのです。 ボクは美術でこれをやりたい。
人体をアカデミックにキッチリ見て、観て、描いて覚えたい人。
成安造形大学に入れば、この授業、触れることが出来ますよ。
ここまでやっているのは、いまの日本・アジアではここだけです。